019 : BLOW BY BLOW / JEFF BECK

これは大学入った年（1977）に買った。

この頃はすでにプロミュージシャンを志していたので「ジェフベックのアルバムくらいは買っておかないと」という建前で買った。

だいたい自分はそのギタリストの誕生日を調べ、何座かという非常にキショい選択法で買う買わないを決めていた傾向がある。
このジェフベックは蟹座、さそり座との愛称はベストなのでそこそこ裏切らない音楽を提供してくれると思い込み何の事前情報もなく買ったのだ。

んで、アルバムは他にも色々あったと思うが、渋いジャケットのこれ。

一曲目のYOU KNOW WHAT I MEAN?

いきなり聴いたことも無いコードで16ビートのカッティングが飛び込む。

「なんや？ベックってハードロックギタリストやろ？」というとまどいが曲が進むに連れ「こんなジャンルもあるんや。へぇー」FREEWAY JAM「ギターが遊んでる」ビートルズのSHE’S A WOMANで「ギターが唄ってる」SCATTER BRAINで「ギターが暴れてる」とどめはB面の頭の哀しみの恋人達。

「ギターが泣いてる。怒ってる。あきらめてる（ちょっと変な表現）。」

最後のDIAMONDDUSTを聴きながら愕然としひれ伏した。

まるで犬が飼い主に腹を見せるように。（いたるところに変な表現が出ますがご了承を）

それまでリッチー命だったから、速さだけがギタリストの使命と信じ込んでる若さがあったが、このアルバムで180度考えが変わった。

ギターで表現することの重要性を教えてくれたアルバムだ。

ジェフベックすごい！

そういえば高校生時代にコンテストに出て審査員に「ギターは速く弾けば良いってなもんじゃないんだよ、君！」みたいなことを言われたことを思い出した。

「何ぬかしとんじゃ！お前が弾かれへんからやろ！」と、反逆的な方向へ進みかけていたのだ。

後にジミーペイジが「ギタリストの教科書のようなアルバム」と言ったがまさにその通り。

哀しみの恋人達は未だに弾く。

昔、バンドでのソロコーナーで無理やりやったった(笑)。

ギター教室でも課題曲として教えるし、早弾きやブルースに飽きたら頭の中でカラオケを流しながら一人で弾く。

この曲だけに限らず全曲未だに弾いても弾いてもベックの足元にも届かないような気がする。

2014/05/18